Localworlsマーケティング&開発部で勤務している八幡尚希と申します。
前回私が執筆したインタビュー記事が好評だったので、今回二本目の記事を執筆するに至りました。
ところで、ハイコンテクスト、ローコンテクストという単語を聞いたことはあるでしょうか。
あまり一般的な用語ではありませんが、日本語では高文脈、低文脈と訳されます。
この概念は人間同士が関係を持つ上で非常に重要な概念であり、普段から意識することでビジネス・恋愛で他人より一歩秀でることができると考えられています。
まずそれらの単語が持つ意味を探っていきましょう。
コンテクストという概念
単語後半部分である「コンテクスト」は、直訳すると「文脈や脈絡」であり、特定の物や事象を指す言葉ではなく、その背景の情報や前後関係といった曖昧なことを意味する言葉です。
例として「文化、慣習、知識、価値観」が挙げられます。
すなわち「ハイコンテクストな表現」とは、書かれている言葉や話されている言葉そのものには含まれない文化や慣例などの背景的な意味が含まれた表現。
対して「ローコンテクストな表現」とは、形式的な言葉や飾り立てた言葉を使わない端的且つ曖昧さがない表現であります。
例えば「仕事が終わらない」という言葉に対して「手伝います」と返す。
これはハイコンテクストな表現の良い例として挙げられます。手伝うようには頼んでいませんが、言葉の背景や文脈を読み取り手伝いを申し出ているのです。
一方、ローコンテクストな表現であれば「仕事が終わらない」に対して「頑張って」と返すでしょう。
各国のコンテクストベクトル
上記の図は、各国のコンテクストレベルを表した図です。そのレベルを表したベクトルを「コンテクストベクトル」と呼称しましょう。
見て分かる通りコンテクストベクトルは国や地域によって傾向が異なり、一般的にはアメリカ、ヨーロッパはローコンテクスト、アジアはハイコンテクストな傾向にあるという研究結果が出されています。
特に日本は、「気を使う」や「察する」などのハイコンテクスチュアルな用語を使用するため、非常に高いコンテクストレベルに位置します。
では、コンテクストベクトルはあなた自身にどのような特徴として表れるのでしょうか。
表れる特徴
上記を読むと自分の大まかなコンテクストレベルを掴めるのではないでしょうか。
ちなみに筆者はモノを理解する際に1から理論を組み立てることでようやく理解でき、ロジカルな思考を好むことが多く、自身がローコンテクストな性質を持っていると思っています。
そうではなく感覚でモノを掴み、腑に落ちる所まで持っていける人はハイコンテクストな性質をお持ちでしょう。
ただし、自身のコンテクストレベルを把握するだけでは十分ではありません。
相手のコンテクストレベルを推測し、お互いのベクトルの差異を知ることでどのように対応したらいいかを策定します。 そうしてやっと、ビジネス・恋愛の観点で他者より一歩抜き出ることができます。
では、コンテクスチュアルな観点に於ける相手への対応の最適解を模索していきます。
コンテクストはマグネット?!?!
ここからはコンテクストベクトル学術研究の未踏領域になるので、事実に基づかない独自の考えや経験から導き出された解になることをご了承ください。
まず、コンテクストはマグネットに近い概念であると考えられます。
正極同士は寄り付かず、負極同士も寄り付きません。対極であるからこそ寄り添うのです。対極でもお互いのベクトルが離れすぎているのは吸引しすぎて好ましくないでしょう。
お互い同じくらいの絶対値(0からの距離)で惹かれ合います。
なんとなくで理解する人は、1から丁寧に理解しようとする姿勢に魅了されます。
ロジックで理解する人は、形にできていない概念を理解している姿に魅了されます。
現時点での具体的な行動指針を以下に記します。
同極の場合は、残念ながらお互いにコンテクスチュアルな観点に於いて魅力を感じることはありません。
ただし、同じプロジェクトを進めるような共同作業に於いては思考ロジックが一致し、効率的に業務が進むでしょう。
対極の場合は非常に高いパフォーマンスを出せるチャンスです。
絶対値 (0からの距離)を相手に合わせ、その地点に於けるコンテクスチャルな行動を相手に魅せていきます。このチャンスを無駄してはこの記事を読んだ意味はありません。
同時に、コントロールが困難であるのも対極だった場合です。特徴を表に出しすぎても控えめでも魅了できない。
たまには相手の気持ちになって接することが必要です。ハイコンテクストの方は、直接相手への思いを伝え、ローコンテクストの方は気遣いをふとした瞬間にしてあげると、あなたの見える景色は変わります。
普段人と関わる時から意識し、経験を積んでいきましょう。
最後に
本記事を読了して下さりありがとうございます。少しでもあなたの行動に変化をもたらすことができるのなら幸いです。
これらの概念は、1976年に合衆国の文化人類学者エドワード・T・ホールが『文化を超えて(英語版)』(1976年)で世界中の言語コミュニケーションの型を高文脈文化と低文脈文化に分類したことに始まります。
その後、実証研究の分析が行われていますが、未だ完全なる実証はされていません。
何か新たな発見、知見がありましたら、私のtwitterへ、又は以下のリポジトリにpull request受け付けています。
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