スタートアップに来たのは60歳の新人?!

60歳直前にITスタートアップ企業に転職。飛び交う専門用語やカタカナ語に苦戦しながら孫と同じ年齢層のスタッフと共に過ごした1年間。 建築現場で30年以上経営者として働き、なぜ今、それまで無縁だったIT業界のスタートアップ企業に入社を決めたのか……。
ローカルワークス最年長社員、 渡邉さん(なべさん) に密着をしました。

仕事をもらおうと会社に訪問すると・・・採用面接だった!?

ローカルワークスのことはどのように知ったのですか

ローカルワークスを知ったきっかけは、事業者として「仕事が増える見込みがない」と思い、新規開拓として、インターネットで仕事探しをしたことです。漠然と検索をしていたときに、偶然ローカルワークスの情報を見つけました。
連絡をとって仕事を紹介してもらうつもりで会社に行ったのですが、私が問い合わせていたのは「仕事紹介窓口」ではなく、「採用窓口」だったんです。 完全に勘違いをしながら会社の話を聞いてみると、なんとも最先端な世界で衝撃を受けたことを覚えています。

「これも人生だ、よし!いっちょやってみるか!!」自営業で大工を続けて30年・・・IT企業への入社を決めた日

今までITとは無縁の仕事をしていた渡邉さんが、IT企業に入社を決めた理由を教えてください

面接官の話や代表の話を聞き、インターネットの会社と言えども業界に対する課題に強く共感しました。
一般の方はリフォームや建築知識がないのが当たり前、そのような人に対して工事の価格は言い値により決まり、場合によってはずさんな工事が行われることもあります。
産業が大きいにも関わらず情報が少ないため、詐欺や業界構造として非効率なことが起きている。 そういった業界の問題をITで解決したいという思いを聞いて、「自分はこの流れに乗り遅れてはいけない」と直感的に思いました。

現場仕事を中心に30年以上勤めてきましたが、現場で働くにはいつまでも現役というわけにはいきません。しかし、ここの会社でなら経験を重ねて培った知識が世の中への貢献という形で役に立つと思ったんです。

経営者から一転、孫と同年代の子に頭を下げる日々

業界知識は誰よりも勝る渡邉さんですが、実務で困ったこともあったのではないでしょうか

はい、最初は本当についていくのに必死でした。みんな自分の子供か孫ぐらいの年齢で、バイタリティのある社員に対して、「私も負けじと頑張ろう!」と気持ちは十分だったものの、分からないことが多すぎてノートに沢山メモをしていました。 「なべさん、紙じゃなくてslackで書いてください、手帳じゃなくてグーグルカレンダーで」と言われ混乱続きの毎日でした……。
ワープロでさえ大変で不得意だったのに、いきなりslackと言われても分からない、slackの通知が来たあとに口頭で教えてもらうなんてことをしていたときに、「この歳で大丈夫か、ついていけるか」と正直心配になりました。

ただ、日々こなしていくうちに「ググる」という言葉を知り、ショートカットキーやslackの使い方など知らないことを覚えていきました。
あとは価値観も変わりました。社長は人に話さず我慢するのが仕事。と思っていたのですが、ローカルワークスに来て「共有」の大切さを身をもって感じました。slackもそうですし、情報共有をする文化は素晴らしいと思いました。
まさか今こうして自分の孫より若いスタッフと一緒にIT企業で働くなんて思ってもみませんでしたが、人にいいものを届けたいので、プライドを捨ててでも頭を下げ教えてもらう、初心に戻った気持ちで働いています。

プライベートでは60年の知見で相談役に

働くなかで印象的なエピソードはありますか

これは仕事のことではないのですが、息子と同じ年代の社員と一緒に飲みながら語っていたら終電をなくして、会社で朝まで過ごしたことがありました。彼らの彼女の話とかプライベートの相談を受けたのですが、すごく納得をしてくれていたり、同感してくれていたりして、60年の生き知恵が役に立った瞬間ですね笑。
あとは子供と孫にほめられたことも嬉しいことでしたね。仕事の話をしていると、私がインターネットを使いこなすなんて夢にも思っていなかったのか、進化に驚きながらも「すごいじゃん」とほめられて正直嬉しかったですね。

なべさんがいるから続けてサービスを使ってるよ

施工業者さんとのやりとりで工夫をしていることや思い出などはありますか

私の場合は「元大工」というポイントだけで差別化を図れるので、いっきに信頼をしてもらえます。 「リフォマ」はリフォームや修繕を希望している依頼者と施工業者をつなぐマッチングサイトで、私は施工業者のサポートをしているのですが、どうしても「インターネットの案件は質が悪い」などと最初から対応を諦めている人もいるんです。私も気持ちはとてもわかります。ですので、最初は同行をし、インターネットの案件も普段の案件と遜色ないことを示してあげて、一人でも動けるようにサポートをしてあげていますね。

私自身のスキルとして、リフォーム希望者から送られてくる写真と説明文を見れば、だいたい現地の状況が頭に浮かぶので、依頼者さんへの説明時に注意することや、工事の手順や段取りを説明することができます。 それでも対応が難しい人には、私が現地調査に同行をして実際に提案を見せてあげています。営業のやり方、施工業者が自分で気がついていない問題点も同席して教えるという徹底したサポートを心がけています。
ある塗装業者さんに同行したときのことなのですが、自分のやりたい施工をなんでも提案しており、お客様のニーズに沿っていないというケースがありました。そんなときは見本を見せつつ、ひとつずつ確実にやっていこうとアドバイスをしたりしましたね。
言葉遣い一つとってもそうです。アドバイス通り対応をしてくれている施工業者は「また案件がとれちゃいました。」、「また次も頑張りたい」と報告がきたりしますね。1年を通して、アドバイスを徹底して実行してくれた会社で、営業社員3名増やして売上も過去最高に伸びたと報告してくれた会社もありました。その瞬間は建築一本で生きて来た甲斐があるなと思いましたね。

活躍する会社、売上1億の会社を10社作りたい。

常に進化を遂げている渡邉さんですが、これからの抱負を教えてください

実は社長という人たちは孤独と戦っています。相談をする人がいないのが本音ですし、 全て一人で背負っています。
それは自分が経営者だったからこそ痛いほどわかります。だからこそ、少しでも寄り添いながら経営の手伝いをしたいと思っています。
今まで自分自身集客の方法が分からなかったのが、今自分が事業者だったら絶対にリフォマを使いたいと思えます。お客様の集め方が手に取るように分かる、本当にいいサービスだと思えるからこそ、数多くの業者さんに良さを体感してもらいたいと思い日々精進しています。最初はうまくいかなくても、アドバイスを実行し、結果が出てくると必ずみんな「おもしろい」という言葉を発します。そのタイミングでどんどん追加で案件を紹介していくと案件もとれていきます。「リフォマがないとやっていけない」という状態までサポートをしていきたいですね。個人的な目標としては売上1億の会社を10社作りたいです。

リフォマはもちろん、今秋「ローカルワークスペイメント」や「ローカルワークスサーチ」という、建設業界の一番深刻な問題に対して解決するサービスを提供予定です。それを使ってもらえる状態にしてあげたいとも思っています。

自分で会社をやってきたときの給与を捨ててローカルワークスに来たのは、「どれだけ世の中に価値を伝えられるか、どれだけ多くの人を助けることができるか」という点で、影響の幅が広い仕事を選べたと思えたからです。体は動かなくても、頭は動かせますから。
数多くの現場を見て、300~500人面接して人を見てきているので経験値は多いです。頭にあるノウハウ、レシピを皆に提供をして、残りの人生の間に皆に還元をしたいですね。だからこそ社員もお客様も一人ひとり真剣に対応しています。

給与よりも、皆の役にたっていることがわくわくするんです。

渡邉さん、貴重なお話ありがとうございました

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